甘夏のケーキを初めて作ったときに、実と皮の煮詰め具合がよくわからず、今にして思えばあまりにもピチャピチャで、思うようなスポンジケーキができませんでした。試食してもらったら「これでも十分おいしい」と言ってくださる方もいたのですが、私の性格を見抜いてるMさんは「うーん、イマイチやなあ」と。で、今度はゆっくりと水分を飛ばしていったら、最初に焼いたケーキとはまるで別ものになりました。甘夏のピール煮以外のレシピはまったく変えていないのに、です。幸いにして国産果実のいいのが手に入りますから、これからはせっせとピール煮を作って旬のパウンドケーキを焼こうと思います。ずいぶん探しましたが、あまり詳しいピール煮の作り方の本がありませんでしたから、ここでピール煮だけをまとめておきます。
写真は国産ネーブル。甘夏が一番合うと思います。外国産の柑橘類は輸入するときに防カビ剤などを使用していて、これは洗って落ちるようなものではありません。国産の柑橘類が手にはいるときに作ってみてください。
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■材料
(作りやすい最低の分量)
ネーブル(甘夏)など…3個ていど
グラニュー糖…柑橘類100gに対して20g
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■作り方
(1)
ネーブルを洗い、皮むき器で表面のオレンジ色した部分だけむく。甘夏の場合は手順(2)から始める。(写真はネーブル)
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(2)
包丁で上から6〜8つに切り分ける。甘夏はまず切ってから寝かせ、メロンを皿に盛ったような状態で横からまず皮だけを切り、ていねいにワタと皮の部分をわけていく。ワタと房(内果皮)は捨てる。(写真は甘夏)
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(4)
実と皮を計量。それをもとにグラニュー糖を計算し、計っておく。
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(5)
鍋にたっぷりの水と皮を入れて火にかけ、沸騰したらざるにとって湯を捨て、新しい水で煮る。
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(6)
今度はやわらかくなるまで煮て、途中、味をみる。少し苦みが残る程度でよい。
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(7)
湯を切って皮はざるにとって冷まし、細く刻む。
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(8)
鍋にむいておいた実と(7)、グラニュー糖を入れ、弱火で煮る。煮えてくると取り除ききれなかった房が目立つようになるので、箸を使って取り除く。
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→
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(9)
途中かき混ぜながら水分を飛ばしていく。全体的に透明感があり少し水分が残る程度で完成。冷めるとかたまってくる。
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●すぐに使わない場合は清潔なガラス容器に入れて、冷蔵庫で保存します。場合によってはもう少しグラニュー糖を増やした方がいいでしょう。いずれにしても長期保存を考えずに旬のものとして、できるだけ早く使い切りたいと思います。
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