私の実家にはオーブンがありませんでした。親元から離れてオーブンを買うまで、私の作るケーキはレアチーズケーキだったのです。焼き菓子を作っていると家中に甘い香りがただよいますが、じつは家の外まで香っているのですね。秋の夕暮れ、急ぎ足で歩いているときに限って、そんな甘い香りがしてきます。気がつかないうちに、私までにんまり。
仕事を持っているお母さんから「とても簡単で、すごくおいしいお菓子を作りたい」と言われて思いついたのがこれです。「ほんとに簡単」「でもおいしいね」が概ねの評価です。時によって表面がひび割れたり均一の焼き色にならなかったりもしますが、それもこのケーキの味として楽しんでください。割れそのものは失敗ではありません。夜、なんの気負いをすることもなくケーキを焼けたらいいな。家の中に甘い香りがただようのってステキだな。そんな気持ちを込めています。
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■材料
(直径15センチ×高さ6センチの型1個分)
クリームチーズ…250g
生クリーム…200cc
素精糖(もしくは白糖)…85g
薄力粉…35g
卵(Lサイズ)…2個
レモン汁…大さじ2.5
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■作り方
(準備1)
オーブンの上段に天板を入れて170度に温めはじめる。
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(準備2)
ケーキ型(底が抜けるタイプ)に敷き紙を入れ、側面の紙はあとでつくる生地の一部をほんの少し使ってノリがわりにし、ぴったり止めておくと流し込みの作業がしやすい。
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(1)
室温に戻してやわらかくなったクリームチーズをつぶすような感じでミキサーに入れる。
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(2)
続いて素精糖を入れ、
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(3)
薄力粉、
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(4)
卵、
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(5)
生クリーム、
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(6)
レモン汁も入れ、
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(7)
ミキサーのフラッシュモード(なければオンオフの繰り返し)で混ぜ始める。
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(8)
全然回らないようであれば、ゴムべらで側面からかき落とすようにして下に向けてこそげる(このとき必ずスイッチは切っておくこと)。
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(9)
調子よく回って、真ん中に渦の目ができるようであれば順調。この状態でなめらかになるまで(1〜2分ほど)回す。
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(10)
万能こし器でこしながら、生地を型に流し込む。170度に予熱されたオーブンの上段で50分間焼く。
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(11)
焼き上がり。
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●今回の型は高さが6センチのものです。直径15センチでも高さがそれほどないのであれば、焼いているときにふくらんで、生地が型から流れ出します。16〜18センチの型でもかまいません。直径が大きくなれば焼き上がりが少し低くなるだけです。
●ミキサーのパワーやその他の条件によっては、ゴムべらで手助け(作り方の8)をしても、ミキサーがまわりにくいかも知れません。その場合は生クリームを50ccほど足して、その分、素精糖もほんの少し足します。
●クリームチーズを冷蔵庫から出してすぐに使いたいときは、パッケージから出して耐熱皿にのせ、電子レンジの弱で1分間かけて(あとは様子を見ながら)使います。
●焼きたての、ほんのり温かいうちはスフレっぽい味わい。そして冷蔵庫で一晩寝かせるとしっかり落ち着いたベークドチーズケーキになります。寝かせた後でセルクル型でくりぬいてもおしゃれですね。
●素精糖は私がいつも使っているのでここでも使いました。なければ白糖でどうぞ。
●生クリームは動物性のものを使ってください。
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