煮魚って、無性に食べたくなるときがありませんか? 「煮る=時間がかかるもの」というイメージが強いためか、最近では電子レンジで温めるだけの無菌パック(?)のシリーズがけっこう出ていて、これからはお袋の味は電子レンジの中から登場するのか〜と嘆いてみたりして。ま、単身赴任の人には便利なのでしょうが、そんなに難しいものでもないし、冷凍物が一年を通して安定した価格で出回っているのですから、料理して欲しいなあ。
まずは、鍋の話。カレイの煮付けには、フライパンが便利です。カレイを重ならないように並べることができて、取り出しやすい(盛りつけるときにくずれない)となると、フライパンなんですね。もちろん、ステンレス多層鍋のフライパン型があるなら、そちらでも。それから、落としぶた。ステンレスの万能サイズの落としブタがひとつあると、ほとんどの鍋で使えます(よほど小さいスーパーでないかぎり置いてある)。それからフライパンに合うふた。それと大きめのスプーン。これは、煮汁をすくってカレイにかけるため。
そして、カレイの話。日本には約40種、世界には100種類ぐらいいるとか。これだけいれば、うまいのもまずいのもあります。ざっとまとめてみます。
- [ソウハチ]
- 干物○ 刺身・煮付け×
- [イシガレイ]
- 刺身・寿司種・煮付け○
- [コガネガレイ]
- 煮付け○
- [アサバガレイ]
- 一夜干し・煮付け・塩焼き○
- [マコガレイ]
- 煮付け○ 大型なら刺身○ 関西ではこれをマガレイとよぶこともある
- [マガレイ]
- 一夜干し・煮付け○ 新鮮なら刺身○
- [メイタガレイ]
- 煮付け○
- [ヤナギ]
- 干物○ =高級品
- [ホシガレイ]
- 煮付け =高級魚
- [カラス]
- フライ○ 新鮮なら刺身・寿司種○
=大型のカレイ
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■材料
カレイの切り身…2〜3つ
しょうが…ひとかけ
日本酒…250cc
しょうゆ…大さじ3
みりん…大さじ3
砂糖…大さじ3
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■作り方
(1)
フライパンに調味料を全部入れ、中火で沸騰させる。それをしている間に、しょうがを薄切りにする。皮はむかなくてよい。
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(2)
沸騰したらカレイを並べ、落としぶたをのせて、ふたもかぶせ、弱めの中火で10分間煮る。
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(3)
10分したら、ふたと落としぶたをとり、大きめのスプーンで煮汁をすくってはカレイにかけるというのを繰り返す。あるとき、煮汁がもったりしてきて、照りがでてくる。ここまで約6〜7分ほど。すぐに食べるのでなければ、火を止め、ふたをしておく(温度が下がるときに味がしみる)。すぐに食べる場合は、まずはカレイを取り出して、下ゆでしたにんじんやごぼうなどを煮て付け合わせに。他に野菜があるのであれば、カレイだけでも。以上で完成。
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●子持ちガレイの場合、あまり子が大きいと、火が通るのに時間がかかることがある。家庭料理であれば、火が通ってない子だけを残し、残りの煮汁をほんの少し薄めて、少し煮るとよい。しっかりと子にまで味がしみこむ。理想的なのは、夕食で子を残し、夕食後に子を煮含めたあと火を止めて、そのまま朝までおいて、味をしみこませる方法である。子持ちガレイの子までしっかり火を通して味も煮含めようとすると、どうしても身のほうは味がしみこみすぎてしまう。子持ちガレイでなければこのレシピの時間で充分なはずだが、子持ちの場合、この手順にすれば2度おいしい。子の煮付けは弁当のおかずにもなる。夕食後に煮含めておくというのは、実はそういうこともちょっとだけ考えているのだ。
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