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2000年10月1日(日) ムカゴ、そしてセスジスズメ
一昨日、散歩をしていたら小さなムカゴを見つけた。そういう季節がやってきたのだなと思う。実りの秋を散歩で知るのは楽しい。雑貨屋めぐりのできる都会の真ん中のぶらぶらも楽しいが、移りゆく季節を視覚的に味わうことのできる半田舎も別の意味で楽しいのだ。なあんて思いながら家に戻って中庭のチェックをしたら、私の花壇にもたくさんのムカゴがなっていた。ふかして食べよう、せっかくだもの。今年はいい塩と巡りあえたし、いつも以上のムカゴの出来だし、きっとおいしいに違いない。うきうきしながら歩き出したら、みごとなスタイルのイモムシ君を発見! スタイルがおかしすぎる(笑)。あー、画像付きの日記でしかも[とろい+毎日更新したいが時間がさほどかけられない]な私にぴったりのスルスル楽々更新というソフトはないかなあ。積極的にイモムシ君を取り上げている図鑑も欲しい。買いたい。
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と、ここまで書いて更新し、図鑑と昆虫の画像が豊富なHPで、ユニークなスタイルのイモムシ君はセスジスズメの幼虫だろうと判断。名前もほぼ絞り込めて、ちょうど雨が上がって少し明るくなってきたので、デジカメ+三脚+アンブレラの三点セットを抱えて撮影に。現場まで徒歩1分。しかし、昨日見たばかりのイモムシ君は影も形もなくなっていた。ショック! この前のジャコウアゲハ以上に絵になるのは確実だったのに。まあ、どんなに特徴のあるイモムシでも、幼虫の時代に何度か色も形も特徴も変化する(ものがある)ということがわかっただけでもいいか。午後、急に気温が上がったら、セミが頑張って鳴き出した。すっかり秋。

2000年10月2日(月) モズ
朝、ユズリハの樹の上で声高らかにいろいろな鳴き声で自己主張している鳥がいた。声はすれども姿は見えずというやつで、ユズリハの樹が茂っているせいもあって、見つからない。ぐるっと回ってみるものの、やはり声だけ。なんだか悔しい。見えないとなると、よけい見たくなる。脅してみようかとも思ったぐらいである(馬鹿)。あきらめかけてふと見上げると、場所を電線に移した鳥の姿が! モズだった。モズってあんなにいろいろな鳴き声をするんだ。にぎやかなセキセイインコのようだった。
 夕刊が届く。全面広告で海外旅行。「こだわりのパリ7日間 69,800円」うーん魅力的。ロンドンがこの値段ならgoodなのに。格安往復航空券と800円しか違わない。いくらB&B 利用でも、これでは個人で行く方が高くつく。もっと安いツアーを探さねば。

2000年10月3日(火) 秋刀魚
昨夜、根室から直送してもらったという秋刀魚をいただいた。とがった口の先が黄色く、すばらしい艶。身の張り加減もいい。秋刀魚は塩をして30分ばかりおく。セラミックのついた魚焼きの網をガス台にのせ、十分に熱してから(ここが重要)塩を少しぬぐった秋刀魚をのせる。ものすごい煙なので、ドアと窓も開け、風が抜けるようにしないと大変なことになる。焼きながら大根をおろす。新しく買った魚焼きの網がとてもいい。セラミックのついたシンプルな網。これがガス台の真ん中にある魚焼きだと蒸された感じになり、味が落ちるのだ。たとえ煙がすごかろうが油がしたたり落ちようが、網がいい。いつもお米を頼んでいるT君(農家の長男)の新米も炊き、かぶと大根、みょうがのぬか漬け。小津風カマタの朝ごはんであった。
■今日みつけたごきげんサイト■excite翻訳
インターネットで調べごとをしていると、外国のサイトでめぼしいものを見つけてしまうことがたびたびある。疲れていると、とても読む気にもならない。あるといいなあと思ったら、出た! まずは自分の目的とするサイトを探し、そこのURLをコピーし、今度はexcite翻訳を開いて、アドレスを入力(コピーしたURLを貼り付け)するだけ。通販でやってみた。とりあえずひとつのサイトの中なら、次のページに進んでもちゃんと翻訳してくれるようだ。拾ってきたURLの部分だけではないらしい。日本語が強引でかなり笑えるが、それもご愛敬。テキスト翻訳(英語→日本語、日本語→英語)もしてくれるらしい。便利、便利。

2000年10月4日(水) 三つ葉
ベランダのコンテナに三つ葉の種をたっぷり蒔いた。春だったか去年の秋に蒔いた三つ葉も、このところの涼しさで元気よく葉を伸ばしている。三つ葉やパセリ、万能ネギなど、コンテナにちょこちょこっと植えておくと、料理に元気が出る。この頃こうした香りのものは水耕栽培が多く、土で汚れていない(ほうが消費者が好むという)かわりに、香りもうんと弱い。いくら彩りとはいっても、香りが必要な料理だってある。私の場合、香りが必要なほうが多いので、どうにもスーパーのこうした香味野菜は不満なのだ。買ってきて調理するだけが料理ではない。その野菜の育ちやくせも知ってこそである。都会は便利でよいけれど、土遊びもできないような環境では、料理の心はますます失われるのではないだろうか。

2000年10月5日(木) キンモクセイ
朝、洗濯物を干していたら、キンモクセイの香りが。あ、もうそんな季節なのか。どこかの会社がトイレの芳香剤に使うようになってから、いっぺんに安っぽい香りに成り下がってしまったキンモクセイ。本当に狭い空間の中、それも窓すらないトイレの中にあの芳香剤(合成のキンモクセイの香り)があったら、気絶しそうになる。とくに飲食店だったら、思い切り水洗トイレに流してしまいたい(思うだけで、もちろんそんなことはしない)。これから食べようと思うのが和食だったりしたら、オーダーをキャンセルしても構わないぐらいの犯罪行為である。でも、ぜんぜん無頓着な経営者もいるのだ。自転車をこぎながら流れてくる香りのつつましさとは雲泥の差。そうそう、またしても自転車がパンクしたらしい。キンモクセイの香りが台無しだ。

2000年10月6日(金) 無花果
今年もイチジクの季節が終わる。無花果と書いてイチジク。外から花は見えないのに実がなるから、そういう漢字が当てられたらしい。毎日ひとつずつ熟すから「一熟」→「いちじく」。なんだかもっともらしい由来だ。たしかに見ていると、赤く熟れるまで時間がかかる。「今年は赤くならないで季節が終わるのか」とぼやいていたら、だんだんと赤くなり始めた。そういえば去年も同じようなことを言っていたのだっけ。赤くなったら、今度は鳥との戦いである。そろそろ食べ頃だなあと思っていると、翌朝にはみごとに鳥につつかれた後。だからといって、熟れるのを待たないでとるのもいやだしなあ。本当は収穫までの数日間、紙袋をかけてしまいたい。そうしたら、たぶん鳥には狙われないはずである。しかし悲しいかな、集合住宅で、イチジクの木はみんなのもの。紙袋をかける勇気は私にはない。時には鳥がつついたのをとって、つつかれて穴になったところを落として食べる。無傷のイチジクよりもおいしい気がする。人間よりもはるかに食べ頃を知っているようだ。

2000年10月7日(土) 雑穀がゆ
一昨日、立ち寄った生協の店舗で「ふつうに炊ける十種雑穀」というのを見つけて買ってみた。十種類の雑穀(はとむぎ、とうもろこし、黒米、黒ごま、黒豆、小豆、緑豆、アマランサス、そば、クコの実)が30グラム1袋になっていて、それが7袋入って460円だった。黒ごまとクコの実以外はやわらかくなりやすいようにα化してあるために、白米に混ぜて普通に炊きあげることができるというもの。で、パッケージの「雑穀がゆの作り方」を読んでいたら無性に食べたくなって、作ることにした。まずは白米1合をとぐ。そこに十種雑穀1袋を入れ、水を1.2リットル程度入れて、炊飯器のメニューボタンをおかゆにセットして炊きあげるようにということだったが、計量カップで計りながら水を入れたら、1.2リットルというのはものすごい水の量なのである。そこで内釜についている「おかゆ」の目盛りを信じることにした。たった1合しかないので、米は底に沈んだ感じになっている。しばらくしてスイッチを入れた。おかゆモードはとっても時間がかかる。炊いていることも忘れかけた頃に炊きあがっていた。さっそくよそって試食。水加減もよく、先日作ったごま塩がとっても合う。甘いだけの白米に滋味が生まれて「からだが癒される食事」になりそうだ。しばらくこれでいってみよう。ちなみに、たった1合が、パイレックスの1リットルの密閉容器に入りきらない量にふくれる。

2000年10月8日(日) 缶詰の進化
出先で、いつもいかないスーパーに立ち寄った。大きいだけあって、新製品の入荷が早い。そこでおもしろい缶詰を見つけてしまった。韓国のキムチ鍋のようなものが大きめの缶詰になっていて、缶を開けてオーブントースターで温めて食べるというもの。何年か前に「まな板のない家」が話題になったが、さらに鍋もなくて鍋物が食べられるようになるのか? これはシリーズでいろいろなものが同時に売り出されていた(時間がなくてじっくり見ることができずに残念)。食べたい食べたくない以前の問題として、発想とか構成とか、はたしてこの商品はどこまで伸びるのかということに興味があったので、これからもチェックを入れたい。スーパーとコンビニの線引きがどんどんなくなってきている。家庭料理の崩壊という感じがしないでもない。「得意料理は?」「肉じゃがですぅ」というTVCFを笑えないのだ。


2000年10月9日(月) アップルティー
イギリスみやげのスパイスティー(茶葉)がある。これを使い、信州の夜間瀬のYさんから届いたばかりのりんごをむいて、アップルスパイスティーを作った。ポットに沸騰した湯と茶葉とシナモンスティック、それからりんごの皮をたっぷりめにいれて、しばし待つだけ。香料だけに頼らない、フレッシュなアップルティーである。これから寒い夜に楽しむにぴったり。寒くなってもたぶん早起きの習慣は変わらないと思って、フローリングの床がつらくないように、室内履きを買ってきた。そんなこんなの、ちょっと早めの冬支度。

2000年10月10日(火) バゲットの温め直し
バゲット(フランスパンの一種。フランスでは「フランスパン」がなくて、長さや材料によってきちんとした名称をつけている)を食べ残したとき、めんどうがらずにオーブンで温め直すと焼きたてに近い感じが味わえる。じつは私の行動範囲のベーカリーのバゲットがことごとく不調で、食べ残してしまうことも多いのだ。オーブンは160〜170度ぐらいに設定して、バゲットを入れて少し待つだけ。オーブンによって立ち上がるまでの時間がまちまちなので、何分間になるかは不明。自分の好きなカリカリぐあいになったら(つまり、慣れるまではたびたびチェックが必要)取り出してテーブルへ。バゲットを横にスライスして、バターやチーズを挟んで簡単なランチ。行儀は悪いが、新しい雑誌などがあると最高。新しい活字は料理一皿に相当するぐらい活字中毒である。今日のランチは「インテリア特集」をメインディッシュに、温めなおしのバゲットwithコーヒー。インテリア特集に出てくる部屋の主は、こんなに行儀の悪いことはしないだろうなと思いつつ(笑)。

2000年10月11日(水) ボッタ焼き
小さい頃、うちでは駄菓子屋への立ち入りが禁止されていて、歩いて数分のところにある駄菓子屋さんと、そのはす向かいの駄菓子屋さんに行きたくて、うずうず。親の目を盗んでは、いずみちゃんとこっそり行ったりしたっけ。ところが自分が知らなかっただけで、小学校近くの駄菓子屋には「ボッタ焼き」があって、ある日を境にすっかりハマってしまったのである。ボッタ(子供はいちいちボッタ焼きなどと言わず、ボッタとよんでいた)とはもんじゃ焼きのこと。調べてみると、ボッタは荒川あたりでも使われていた名称のようである。ボッタには「ソース」と「しょうゆ」の2種類があり、アルミのカップ1杯で10円。お金に余裕があるとキャベツの入った20円のほうを注文することもあったが、今では何とよんでいたかも記憶にない。ソースもしょうゆも、小麦粉と水がベースで、具は一切なし。たったの10円で大きな鉄板を囲んで結構な時間を過ごすことができ、ほんわか温かくて、子供にとって特別な空間なのだった。私は親にバレないように密かに通い詰めた。たぶん親の知るところとなったら、駄菓子以上に怒られたかもしれない。ボッタは子供の社交場であり、親離れの第一歩といったところだろうか。

2000年10月12日(木) なめろう
朝食になめろうを作った。なめろうとは、鯵を使った漁師料理である。鯵を三枚におろして(生協の前浜の鯵たたき風という、素材の冷凍品をベースにしたので簡単)味噌としょうが等を入れて一緒にたたく。漁師さんによって流儀があるのだろうが、ちょうど大葉に穂が出てまだやわらかいので使ってみた。せん切りにした葉も使った。しょうがはたっぷり。ちょっと食べてみたがパンチがない。しょうがを追加。しょうゆも心持ち多めに。ごはんにのせて食べた。海の男の料理というのが理解できるような気がしてくる。浜に戻ったらなめろうを作り、あったかいごはんとお酒(しないのかな)。自転車の行き交う音や猫の鳴き声、近所のおばさんのつっかけの音をBGMに、ちょっと布団に横になる。・・・てな感じに、なめろうを食べながら勝手に想像。

2000年10月13日(金) クリスマスツリー
クリスマスツリーのコンテストに応募して、予選を通過。実際にツリーを作ることになった。で、日曜日に説明会に行くと、応募の際に入選した方には、実際に「夢のクリスマスツリー」を作っていただきます。(モミの木や、必要な材料や品物はこちらで用意します) とあったのに「予算がないから、できるだけ家庭にあるものをリサイクルして」と、いきなり言われてしまった。もともとのコンセプト(松ぼっくりやアワ・ヒエの穂、自然素材の小さなカゴといったナチュラルな素材だけで構成。鳥たちがついばんだりできるツリー)は一切無視をしなさいってこと? 説明会終了後、もうスタッフしか残ってないところで、応募用紙を出して聞いてみた。「ここに材料は用意って書いてあるのはどうなってるんですか?」「ですから、モールやベル、ツリーなどは一括購入します」「デザインした個々の材料については?」「自然の素材を採ってこられるという主旨なら、お金は必要ないですよね」「もしもイメージした赤い実のついた枝がなければ、お花屋さんで購入したい」「だったら赤い実を何かで作ってツルにつければ?」などという虚しいやりとりのあと(鳥たちがついばめるツリーだって言ってるのにっ)「ということで、全然買ってもらえないのですか?」と詰め寄る。なんでこんな会話をしなくちゃいけないのだ、そもそも募集要項にあったお約束ごとのはずなのに。結局「見積書を出してくれれば予算の許せる範囲内で」ということを言われ、帰ってきた。しかし私の怒りは収まりようもなく、一緒にいた知人はなだめてくれたが、帰宅した時点で制作意欲は限りなくゼロになっていた。数日間考えたが、降りることにした。去年も一昨年もみんな「話が違うんじゃない?」と思いながらも「せっかくだから」と参加した人が多かったのではないか。どこにも不満の持っていきようがなかったとしか思えないのである。「制作にあたっては3000円以下で作ること」とか「5000円以上については自己負担とする」など、募集要項に盛りこめば済んだ話。何が「夢のクリスマスツリー」だ。聞いて呆れる。

2000年10月14日(土) オレンジ色のじゅうたん
キンモクセイの花がみごとに散って、大きな木の下にはオレンジ色のじゅうたんが広がっていた。10月5日、キンモクセイが咲いたと書いてから10日。まだほんの少しの花が残っているから、およそ2週間の花期だろうか。通り過ぎる時間のなんと早いことだろう。

2000年10月15日(日) ぬか床
ぬか床が絶好調。きゅうり、大根、にんじんが定番。少しずつでいいからこの三種類があると、食卓が華やぐ。真夏と違って、漬かり具合のテンポがゆるやかになってきた。そんなことからも季節を感じる。

2000年10月16日(月) アボカド丼
夜、残っていたご飯を温めて、上にアボカドとめばちまぐろのたたきをのせて、アボカド丼。わさびをしょうゆに溶いて丼にかけ、きざみ海苔をあしらってばくばく。酢飯でなくてもいける。んまいんまい。

2000年10月17日(火) 最近買った本
「ERIO VOL.18 なごみのお茶。」本屋でなにげなく手にとって、ふんわりした写真に惹かれて買ってしまった一冊。これから夜が長くなって、お茶を飲みながらお茶のムックを読むのも悪くないし。久しぶりに「Hanako」も。「人気のシェフ20人が教える上手に手抜きして、プロの味の 基本の料理&アイディアおかず」が特集。それにしても長いタイトル。Hanakoも変わったものだ。

2000年10月18日(水) ガーゼ素材の服
急に涼しくなってきた。さすがに短パンにタンクトップではきつい(ちょっと前までこれだったけど)。お気に入りはガーゼが二枚重ねになったパジャマ。ブラウスも持っている。濃い色なら透けないし、ほどほどにやわらかく、肌になじむ。数年前にこの素材は貴重で、なかなか気に入る柄もなかったものだが、今年始めあたりから流行らしく、ブラウスなら色も形も豊富だ。しかし今の私はブラウスなど、どーでもいい。シックな秋の色のパジャマなのだ(このところ細々した用事が多く、買い物に行けないでいる)。手ごろな価格で縫製がいいガーゼ素材のパジャマを見つけたら迷わず買うだろう。あ、忘れていた。柄も重要だ。変な柄なら悪夢を見そうではないか。

2000年10月19日(木) お茶帽子
今日、片付けものをしていたら、2枚のコピーが出てきた。1976年12月発行(第2世紀45号)の「暮しの手帖」の「お茶もあたたかい こころもあたたかい」というタイトルのお茶帽子(今ふうに言えばポットコゼー)の編み方である。ずっと後になってこれを編んでみたのだが、このポットコゼーはほんとうに冷めにくい。適度に伸び縮みして、ポットに密着するからだろう。引っ越しを繰り返すうちに編み方の掲載された号も処分し、ポットコゼーもどこかへいってしまった。あるときどうしてもまた編みたくなって、あつかましいとは思いつつ編集部に手紙を書いたら、コピーを送ってくださったのである。いつ頃の記事かもわからず、ただ「ずいぶん前の発行で、お茶帽子の編み方が2種類ありました」というヒントだけ。やっかいな読者で申し訳ない。もちろん、すぐに編んだ。前は残り毛糸で編んだのだが、今度はポットに合わせた糸。気に入って使っている。このところ、あまりのんびりとお茶をする機会がないのだが、せめて毎日のお茶だけはティーバックやインスタントコーヒーではなく、気分に合わせて選んだまっとうなものをというのが、私の流儀(というほどエラそうなもんでもないな)。

2000年10月20日(金) すごい展開
原稿を書いていて調べごと。サーチエンジンで「ゴム製 キーホルダー」あたりをサーチしていたら、なぜかクラゲボックスに迷い込んだ。もともとクラゲは大好きなので、これはマズイと思っていたら、みごとにハマってしまい、原稿を書きかけたままいろいろ見てしまった。で、これまたすごい展開なのだけど、クラゲの酢の物が食べたくなったので、きっと晩ごはんはそれ。それから昨日判明したのだけど、アスキーから出ている「WEBガイド VOL.3」(2000.10.13発売)にカマタ食堂が掲載された。URLはトップページではないし、しかもURLが間違っているし。ちょっとショックな出来事だった。

2000年10月21日(土) ちくわぶ
きのうから、30センチの寸胴でおでんを仕込んでいる。二日がかりだ。屋外でバーベキューをやるのに何か一品持ち寄るのが決まりで、まあ寒くもなったし、おでんやる人は他にいそうもないしということで。おでんで一番好きなのは、とろけかかったちくわぶ。親が作ったおでんに入っていた記憶がないので、きっと外食をするようになって覚えたのだろう。小麦粉と塩(塩を使ってないのも出ている)だけで作られる単純なもの。時間が経つにつれてトロンとなり、味がしみていくのがたまらない。昨日材料の買い出しに行って、マイナーなメーカーのを買ってみた。選んだ理由はごく単純なことで、穴がきちんとあるから(笑)。そう、おでん材料の最大手と言えば紀文なのだろうが、紀文のちくわぶは真空パック状態で日持ちはいいのかも知れないのだが、穴がつぶれているのである。パックから出しても、穴は復活しない。これはちくわぶの美学に反するのだ。ということで、バーベキュー。ということで、今、ふと思いついてマダコの投入も決定(ゴソゴソ=冷凍庫から出す音)。ということで、めでたくリニューアルも終わり、今のカマタは完全週末モードです。5:00am

2000年10月22日(日) ちくわぶ大論争
きのうの続き。バーベキューにおでんを持っていって「ねえねえ、ちくわぶってさあ」と話しかけたら、「ちくわ?」と言った人がいたので驚いた。「ちくわじゃないよ、ちくわぶ! どこ出身?」「北海道です」うむむ、北海道には、ちくわぶが存在しないのか。「知識としては知ってるけど、おでんに入れるのは嫌い。(ちくわぶなんて)なくてもいいもののひとつ」的な回答をしてくれたのは、芦屋出身のおぼっちゃま。芦屋にはないのか? 不幸だ。芦屋に生まれなくてよかった(そこまで言うか)。とろとろにとけかけて、じっくりと汁の味を含んだちくわぶは、おでんに欠かせない存在なんだよぅ〜! なぜか他にも「ちくわぶって何?」という人が何人もいてびっくりした。北海道出身組は全滅。あそこは小麦粉文化が低いかもしれない。お好み焼きやタコ焼きも、かなり否定されてしまう。ハルユタカが泣くよ、きっと。ところできのう使ったちくわぶ、じつはあまり質がよろしくなかった。たしかに穴はつぶれてない美形だったけど、紀文に完敗だった。くやしい。もうちょっとマシなちくわぶを使いたいものだ。「私もちくわぶ大好き。紀文は穴がつぶれてイヤ」と、信じられないほど同じようなこだわりをするN子ちゃんと盛り上がってしまったから、まあいいか。ちくわぶは不滅なり。

2000年10月23日(月) スジ
練り物(まあ、おでん以外にどこかで登場したかというと、そういう記憶はまったくないのでおでん用なのか)に、スジがある。牛スジとは全く別もの。ふと気がつけば、この知名度の低さたるやちくわぶの比ではない。関東にしかないものなのだろうか。小さい頃のおでんにはスジが必ず入っていて、ちょっとちくちくするような、あんまり子供ウケするとは思えないもので、いつも避けていた。必ず入っていたのは、きっと父親のリクエストだったのだろう。これもおいしい店とそうでない店の差がはっきりとしている。新鮮な材料で作ったら、さぞかしおいしいに違いない。今、私がおでんの材料を買っているところは、宮城県の高橋徳治商店である。無添加のものが冷凍で届く(生協との契約商品)。ただし、ちくわぶとかスジといった特殊品はないので、別途購入。そのうち、スジとちくわぶ探しの旅に出るつもり。それにしても、近頃おでん材料店というのはめっきり減っているのだろう。前は作りたてを売っていたものだが。油引きしたような紙の袋に入れてもらって持ち帰る。盛りだくさんにみせるために野菜ボールは欠かせなかった。お駄賃と言って、食べさせてくれたこともあったっけ。なんだか妙に懐かしい過ぎ去った日々。

2000年10月24日(火) ざくろ
昨日の夜、料理のテキストを見ていたら、無性にざくろが食べたくなって買ってきた。カリフォルニア産。ざくろシロップを作る予定が、ポロポロとくずしては食べてしまった。うむむ。これではシロップに足りない。もう一つ買ってこよう。ざくろと言えばざくろ石。ガーネットのことね。渋い赤で好きなんだなあ。ありきたりな指輪というのが笑えるほど似合わない。ひとつだけ持っているガーネットのデザインリングがお気に入り。でも、粉料理に指輪もめんどうなので、普段の指はすっぴん。安上がりなヒトなのだ。

2000年10月25日(水) ドギーバッグ
仕事のからみもあって、道具屋や雑貨屋めぐり。もうクリスマス用品が入ってきていて、はなやかになっている。赤と青とチェックのドギーバッグを発見! 思わず買ってしまった。たぶん、クリスマス関連で入ってきているので、一時的な扱いに思える。これにスコーンを入れて差し上げたら、ふつうのおいしいが、とってもおいしいに変身するかも知れない。不思議な魅力。去年買い損ねたキャンディーもどきを糸でつなげた飾りが最後のひとつになっていた。これも買う。仕事のからみだと言いながら、なんだかんだ、そわそわ買ってる(笑)。捨て猫の居ついた猫なのか、上品そうな渋いトラ模様の猫が、雑貨屋に向かって鳴いていた。デジカメを持っていなかった私も泣いてみたかった。くやしいニャ〜。

2000年10月26日(木) 日本のざくろ
昨日でかけたときに、通りがかりの庭先で、おじいちゃまには若すぎる、おじさんという感じでもないビミョーな年齢のおじさま(なんかこれも怪しげな響き)が、庭木の剪定をされていた。それを横目に見ながら通り過ぎようとすると、目の前に、ざくろがたわわに実っていたのである。で、自転車を降りて引き返し「すみません、ざくろの実、わけていただけないでしょうか。国産のざくろって、いま、お店で手に入らないんです」とお願いしてみた。「いい実はないけど、こんなんでいいの?」とハサミで切ってくれた。家で食べてみたら、一瞬さわやかなものの、そのあとは激しく酸っぱい。こんなに酸っぱかったら、ホワイトリカーに漬けるといいかも。久しぶりの国産ざくろであった。

2000年10月27日(金) タイカレーにマグロ
私の場合、魚介と野菜だけでタイカレーを作る。以前、冷蔵庫に残っていたマグロのたたきを入れたら、いきなりおいしくなった。今度は里芋。これは目新しくもなんともない。東南アジアではけっこうやる。そしてちくわぶ。煮物にしていたのを引き出して水洗いし、小さく切って入れてみた。ココナッツミルクベースのカレーとよくからみ、いい食感である。別に入れなくてもいいが、あっても違和感がなかった。意外な発見。マグロを入れたかったが、入れる前に完食。またの機会にする。

2000年10月28日(土) ミニデコ
朝、ワイルドストロベリーの実が5つ、真っ赤になっていることに気づいた。冷蔵庫にあるスポンジケーキをセルクル型でくりぬいて台に、生クリームをホイップしてモンブランの口金をつけた絞り出し袋に入れ、スポンジ台にくるっと「のの字」を書いて山にした。トップにワイルドストロベリーを1つ飾ってできあがり。ものすごく簡単だが、絵になるケーキになった。



午前中からの用事の後、デパートに寄る。久しぶりの人混み。館内はくらくらするほど暑い。タンクトップでもいいくらいだ。暑い暑い、買う気も失せる。朝作ったケーキが頭から離れず、まだスポンジも生クリームもあるので、奮発してブルーベリーとラズベリーを買い込んだ。こぼれんばかりのデコレーションができるであろう量。楽しみである。

2000年10月29日(日) 今日もおでかけ
おでかけが続いてしまった。そ、今日も人混み。本屋さんを2軒まわって、「週末のごはんづくり」を買う。内容も写真もデザインも今の私の気分にぴったりだったので。ぎすぎすしていない、いい空間を持っている本。書いた人は飛田和緒さん(でも、本のイメージとサイトのイメージはかなり違う)。本屋の後で、ついふらふらとロイヤルコペンハーゲンのティーカップ&ソーサー「プリンセス」を購入。さて、11月1日に20人分のランチを作ることになっているが、昨日までイメージが固まらなかった。イタリアンも捨てがたいし、チャイニーズは前もってかなりの部分を仕込んでおけるので、短時間勝負にぴったりなのだ。で、けさ、冷蔵庫の中とストックの食材を見てチャイニーズに決定! 当日会場が使える時間は1時間弱。さてどこまでやれるか、ちょっとわくわく。クロスと大皿も持ち込みの予定。

2000年10月30日(月) エプロン
いつもはあまりエプロンをしない。だから、胸のあたりまでカバーするエプロンは2つしか持っていなくて、そのうちのひとつはある雑誌のために急きょこしらえた記念なので普段使いにはしていない。だとすれば1枚か(少なすぎ? それともこんなもの?)。そのかわり、カフェエプロン(前掛けの短いようなもの。長いのもある)は何枚か持っている。これも7〜8年前は気に入ったのがなくて自分でデザインして作ったのだが、今ではよく見かけるようになって、いつでも買える。後ろで結ぶデザインはひとつもなく、すべて前で結ぶタイプ。このほうがキリリとしまり、機能的だから。自分でデザインしたエプロンも当時にしてはとてもめずらしく、うしろからぐるっと前にまわして結ぶようになっている。本当に今ではめずらしくもないデザインだが、当時は作るかオーダーするかしかなかったのだ。去年、黒の割烹着を買ってみた。これがとても使いやすくて気に入ったのだが、黒は洗濯でつく細かな糸くずが目立って調子悪い。最近、無印良品でカフェ・ラ・テのような色の割烹着を買ってみた。まだ使っていないが、期待大。何年か前にクロワッサンの店で大橋歩さんのデザインで割烹着が出たときにコレはいいかもと思ったのだが、5300円という値段設定は全然よくなくて買わずじまい。エプロンなんだもん、気軽にジャブジャブするような値段じゃないとね。そうそう、白衣がわりの白のブラウスが必要だ。これまで使っていたのが筋肉トレーニングのしすぎで腕がきつい。筋トレも善し悪しだ。

2000年10月31日(火) うっかり
一昨日、11月1日に20人分のランチと書いたが、11月2日の間違いだった。うっかり(気づいたのが早くてよかった)。最近、うっかりが多い。今日は絶対に買わなければいけないものがあったのに、1時間後にはすっかり忘れていた。18時までにファックスしようと思っていたアスクルの注文書をFAXしわすれているのに気がついたのが、18時7分だった。なんとかなるかと思って電話してみたが、あっさり断られた。ひきつる。月曜日には食器洗い機の洗剤がなくなっていることに気づいたのがお風呂の中で、風呂上がりにあわてて薬局に走った。ちょっと悲しかった(お風呂から上がったら外出なんかしたくない)。「郵便だしま〜す」とメールしたのに、週末をはさんで4日間も寝かせて「まだ届かない」と心配メールが来てしまった。ごめんごめん、明日は届くからさ。うっかりは防げる。アスクルの注文書は午後早い時間に書き終えていたのに、その場で送らなかった私が悪い。食器洗い機の洗剤は、昼前に使ったときに「これで最後だな」と思ったくせに、すぐ買いに行かなかったのがいけない。出しこそねていた郵便は、なかなか10円切手が買えないくせに買い置きしておかないのがいけない。反省して、今、真夜中だというのにデスクの整理を始めた。とりあえず反省なのだ(笑)。


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