テムズ川のほとりにあるデザインミュージアムへ。1989年にコンラン卿によって設立された世界初の商業&工業デザイン専門博物館です。日用品の中でデザインの優れているモノを集めてあるのですが、入れ替えのため開館しているのは1フロアのみで、その分、入場料も安くなっていました。入場料を払うとレシートとコインを一枚渡されます。そのコインをターンスタイルゲート(ちょっと前までのニューヨークの地下鉄や遊園地がこのシステムを採用)に入れて、くるっとバーを回して入場です。階段を上ってたどりついたフロアは外光がよく入る、とてもきれいな空間でした。雨ですが、人はいっぱい。どうやら美術専門学校の生徒さんのようで、座り込んでみんな思い思いにデッサンしていました。展示してあるのは、オモチャから歯ブラシ、家電製品、食料品のパッケージまで。椅子は実際に座ってみることができますし、館内の撮影も自由です。とってものびのびしたミュージアムでした。そこに展示してあるいくつかは自分でも持っていたり、今も現役で使っているもの。似たような主旨のミュージアムとしてはニューヨークのMOMAがあります。あちらは展示されるだけでステータスとされるようで、どちらかといえば、永久的に生き残るであろうデザインのよさがウリに思えます。こちらの場合は実際にどの程度の規模で売れているかなども書かれていて、工業デザインとしてどれだけ成功しているかも分かる仕組みです。日本には同じようなミュージアムがあるのでしょうか。モデルチェンジが激しく、恒久的なデザインはなかなか生まれないお国柄だからムリ? グランドフロアにカフェとミュージアムショップがありました。ミュージアムの内容に比べ、すっかり気を抜いている感じがしないでもないと思うのは私だけでしょうか。手頃ですぐれた商業&工業デザインのものは多くあるのに、残念です。オリジナルグッズも充実して欲しいし。 |